クールモアの有力馬2021
今年もやりますクールモアの有力馬紹介。
昨年に引き続き、海外競馬メディアであるat the racesでは、エイダン・オブライエン調教師が管理するクールモア陣営の有力馬の紹介記事が掲載されています。
昨年は古馬の記事内容を紹介した後に3歳馬もやると言っておきながら、結局手付かず終いでした。
今年は昨年の轍を踏まえ、古馬・3歳馬問わず筆者が独断と偏見で特に有力だと思った馬をピックアップして紹介したいと思います。
全馬の紹介が見たいという方は、どうぞ元記事をご覧になってください。
昨年と同様に、DeepL翻訳の力を借りつつ翻訳しています。
なお昨年は次走予定も記載されていたのでそれも載せましたが、今年は特に情報がなかったので書いていません。
古馬(4歳以上 牡・牝)
- Armony アーモリー 4 牡
父Galileo 母After(母父Danehill Dancer)
「冬の間、彼はとてもよく頑張ってくれて、私たちはとても満足しています。昨年末にオーストラリアで1回だけ走らせたのですが、とても良い走りでした。今シーズンは、とてもいい馬になると思っています。彼には2000mが適していると思いますが、どこかの段階でもう少し距離を伸ばしてみる可能性も否定できません。速い馬場は彼にとても合っています。」
アーモリーは愛2000ギニーでシスキンの4着に負けた後、タタソールズゴールドCではマジカルの4着。
GⅢロイヤルウィップSを快勝して迎えた愛チャンピオンSにおいてもマジカルの3着で、オーストラリアに遠征したコックスプレートではかつての同厩サードラゴネットの2着と、毎回そこそこに走りましたが今一つ突き抜けることができませんでした。
エイダンが2000mが合うと言った通り、タタソールズゴールドC以降は一貫して2000mレースを使われています。
基本的に中距離路線を使いつつ、馬場状態次第で2400mも使う余地があるといったところでしょうか。
- Japan ジャパン 5 牡
「今年の彼にはとても満足しています。去年の今頃よりも確実に満足しているし、今年はもっといい馬になると思っています。彼は3歳から4歳のときよりも4歳から5歳のときのほうが変化していて、自分自身を成長させるためには時間が必要だったのかもしれません。去年は一度もクリアな走りができませんでした。シーズンの初めから彼を追いかけていましたが、シーズン中にいくつかの小さな問題が発生してしまい、後手に回ってしまいました。凱旋門賞に向けて非常に良い状態にあると思っていたのですが、そうはなりませんでした。今年の彼を楽しみにしています。」
キーファーズとの共同所有馬であるジャパン。
昨年はプリンスオブウェールズSから始動しエクリプスS、キングジョージ、愛・英チャンピオンSと中長距離の王道路線を転戦しましたが、最高でもエクリプスS、キングジョージの3着*1と目立った好走をすることはできませんでした。
凱旋門賞でも直前にエイダン厩舎の禁止薬物騒動に巻き込まれ出走取消と、運にも見放された一年だったように思います。
コメントでは昨年より状態は良いとのことなので、今年こそはGⅠ戦線でも好走して最終的には武豊騎手を背に凱旋門賞に出走してもらいたいです。
- Love ラヴ(ラブ) 4 牝
父Galileo 母Pikaboo(母父Pivotal)
「彼女はとても順調です。彼女はたくさんの仕事をしてきましたし、優秀で前向きです。いつでもスタートできる準備はできています。しかし、タタソールズゴールドCに向けて行われるリステッドレースやグループレースは、しばしば道悪で行われることがあり、理想的にはそのような馬場でのスタートを彼女にお願いしたくはありません。必要であれば、タタソールズゴールドCに向けて準備をするために多少の休暇を取るでしょうが、どのような形であれそれが彼女の最初の大きな目標となります。私は、彼女が2000mから2400mでキャンペーンを行うことを想像しています。彼女はとても自然体です。彼女は仕事仲間と一緒に半分のスピードで走っているだけなんです。彼女にとってはとても簡単なことなのです。私たちは、彼女がトラックに戻ってくることをとても楽しみにしています。」
1000ギニーを勝って臨んだオークスを9馬身差の圧勝で制し牝馬二冠を達成したラヴ。
続くヨークシャーオークスも快勝し一気に凱旋門賞の本命候補に躍り出ましたが、道悪を理由にここを回避。BCターフに行くという選択もあったようですが、最終的にはレースに使わず休養に入りました。
カルティエ賞最優秀3歳牝馬を受賞したラヴ。エネイブルやガイヤースが引退した今、欧州の中長距離路線の中心にいる一頭であることは間違いありません。
2400mも使うということになれば、馬場次第にはなりますが秋には凱旋門賞出走もあり得そうです。
ここ数年は日本でも欧州でも牝馬優勢の傾向が続いていますが、ラヴが連勝を伸ばすようであれば牝馬の時代はまだまだ続くと言ってよさそうです。
- Mogul モーグル 4 牡
「彼はとても順調で、土曜日に行われるシーマクラシックのためにドバイに行きました。今シーズンは、昨年の12月中旬までレースに出ていたことが救いでした。彼は身体的に非常に強く、かなりの重量があります。彼はスプリンターやマイラーのような体つきをしていますが、もちろん中距離馬であることもわかっています。メイダンの平坦馬場や良馬場は、どちらも彼に合っていると思います。今年の初出走にしては、私たちも満足しています。いつかは2000mの距離に戻すことも考えています。」
ジャパンの全弟。
ダービーではサーペンタインの6着に終わったもののパリ大賞はしっかりと勝ち切り、いざ凱旋門賞へと思っていた矢先に前述の禁止薬物騒動で出走取消に。
気を取り直してアメリカ遠征に向かったものの、BCターフでは実力を出せずタルナワの5着。さらに転戦した香港ヴァーズでは逃げ粘るエグザルタントを外から差し切り3馬身差の快勝と、力を発揮できれば強い競馬を見せる馬です。
さっそく今週末のドバイミーティングではシーマクラシックで日本のクロノジェネシスやサウジカップ馬ミシュリフら中長距離の世界的強豪達とぶつかり、さながら凱旋門賞の前哨戦のようなメンバーになっています。
ドバイの馬場は日本馬に分があるのでクロノジェネシスが勝つと思っていますが、凱旋門賞では強力なライバルになりそうです。
- Order of Australia オーダーオブオーストラリア 4 牡
父Australia 母Senta's Dream(母父Danehill)
「体力的にも、冬の間にとても良くなっています。我々は1マイルの距離を使い続けるつもりだし、シーズン前半のクイーンアンSは明らかに狙い目です。その前にも出走するかもしれません。今年の彼を楽しみにしています。」
BCマイルでは41倍の14番人気ながら激走し、サーカスマキシマスやロペイフェルナンデスを抑え優勝しエイダン厩舎のワンツースリーを決めました。
その後は香港マイルに行きましたがゴールデンシックスティやアドマイヤマーズの前に6着に終わりました。
クイーンアンSはロイヤルアスコット開催におけるマイル最強馬決定戦で、昨年はサーカスマキシマスが制しています。
* Santiago サンティアゴ 4 牡
父Authorized 母Wadyhatta(母父Cape Cross)
「冬の間の彼の成長には満足していますし、オーストラリアで走らせなかったのは正しい判断だったと思います。体質的には、3歳から4歳にかけて大きく変わりました。彼はとても自然に調教をしていて、順調に進んでいます。長距離馬にしては、調教でもペースを見せてくれます。頭脳明晰で、健全で、素直な馬です。おそらく早めにスタートさせて、ゴールドカップ馬にすることを考えています。ナヴァンで行われるヴィンテージクロップSに出走する可能性もあります。」
昨年の愛ダービー馬です。
その後グッドウッドCではストラディヴァリウスに、セントレジャーSではジョセフ・オブライエン*2調教馬のガリレオクロームに敗れています。
アスコットゴールドCで4連覇がかかるストラディヴァリウスとぶつかることになれば面白そうです。
- Serpentine サーペンタイン 4 牡
父Galileo 母Remember When(母父Danehill Dancer)
「彼はフルに調教をしていてとても順調です。3歳から4歳になると大きく変わると思っていましたが、その通りになりました。この馬は馬場に左右されず、大きなエンジンを持っています。パリ大賞での走りには満足していますし、凱旋門賞では怪物のような走りが見られると思っていましたが、残念ながら出走できませんでした。彼は2400mの距離を維持しますが、2000mでも快適に走れると思います。彼はとても素直で純粋です。今年の彼には期待しています。」
昨年の英ダービー馬。大逃げをうちエイダン陣営のラビットかと思って見ていましたが、直線に入っても差は縮まらずそのまま逃げ切ってしまいました。
3歳馬(3歳 牡・牝)
- Battleground バトルグラウンド 3 牡
父War Front 母Found(母父Galileo)
「私たちは彼にとても満足しています。もともと大きな馬でしたが、冬の間にすっかり体が太くなりました。彼は素晴らしく、前向きです。今、彼はとても簡単に調教をこなしています。これ以上の幸せはありません。彼はニューマーケットの2000ギニーに直行すると思います。彼は、1マイル以上の距離を望む馬ではないと思いますが、Declaration Of Warという同じWar Front産駒は最終的に2000mを走ったので、完全に除外することはできません。」
2歳G2ヴィンテージSを完勝した後に向かったBCジュヴェナイルターフでは2着。母はあの凱旋門賞馬ファウンドという良血馬です。
2000ギニーのブックメーカーオッズではラドブロークス、コーラルで8倍、ウィリアムヒルで7倍、パディパワーで5.5倍と、各社ともに1番人気に押されています。*3
- St Mark’s Basilica セントマークスバシリカ 3 牡
父Siyouni 母Cabaret(母父(Galileo)
「彼の状態は良く、冬の間の成長にも満足しています。計画では、ニューマーケットで行われる2000ギニーに出走することになっています。デューハーストSでこのコースを経験したことは、彼がこのコースに戻るときの助けになるでしょう。彼は素直で正直な馬で、素敵な心を持っています。彼はとてもリラックスしているので、1マイル以上の距離を走るチャンスがあるかもしれませんが、ペース不足なので当面はマイル戦を目標にしています。」
昨年のデューハーストS*4を制し、2歳馬最高となるレーティング120を獲得しました。
- Van Gogh ヴァンゴッホ 3 牡
父American Pharoah 母Imagine(母父Sadler's Wells)
「彼は冬の間、信じられないほどよくやってくれて、私たちは彼にとても満足しています。彼は大きなパワーを持った馬に成長しました。去年は彼からたくさんの経験を得たし、彼の精神面はとても良いです。彼はギニー(1600m)を走るのに十分なペースを持っていますが、彼のプロフィールを見る限り、2400mは走れるでしょう。彼は間違いなく良馬場を好むでしょう。」